次のトラブルはこの事件からそれ程、日数のたたないうちに起こりました。
トラブルというより、トラブルになってしまったことなのですが。 双方に気まずさは残したものの、「お食事、事件」は一応の落着を見ました。 この段階ではAさんも気を取り直して、一からやり直そうとした形跡があります。 以前にまして、いろいろな面で活発さが前面に出てきたように私には聞こえてきました。 そんなある日、気分転換のつもりもあったのでしょう。 彼女は一人でダウンタウンに出かけました。此処で若干の問題が隠されていたと思います。 彼女はまるで東京の渋谷に出かける程度の気持ちと準備とでダウンタウンに出かけていったのです。 ブランド物の洋服に身を固め、ブランド物のバックを持ってです。 このことはある意味「私はスリなどの被害希望者です。」という看板を背負いながらの イデタチで、雑踏の中の危険地域に出かけることを意味しています。 Aさんが、気がついたときには、ブランド物のリュック式のバックは大きく切り裂かれ バックの中の小物入れ兼財布は見事に抜き取られていました。 現金、カードなど一切とステイ先の家の鍵などが抜き取られていました。 カードなどは現地のエージェントの努力で紛失届けを比較的早く紛失届けを出すことが出来ました。 現金も被害届を出してもらい保険の適応内でどうにかなりました。 後々の問題の原因であり、Aさんが一番深刻に受け止めたのは鍵の紛失でした。 Aさんの脳裏にまず浮かんだのは、「お母さんの立腹した、顔を真っ赤にした鬼の?形相」でした 「まずい、また怒られる。」の想いが彼女の頭の中一杯に広がりました。 コミュニケーションの取れない相手に対し、自らの過失から、何とか逃げ出したい 気持ちでいっぱいだったのでしょう。 どう、対処しようという思いより、どう、この現実から目を背けよう、の気持ちからだったのでしょう 実は鍵の紛失は1週間近く彼女の胸にひめられ、お母さんはおろか、私どもにも伏せられていました。 そしてこのことが問題をより拡大してしまったのです。 鍵の紛失自体どうでもよい問題ではないにせよ、時々は起こる、極めてまれに起こる事件というわけでもありません。 鍵を紛失したら、その旨を速やかに報告し、鍵の保障料(小額です。)を払い、スペアーキーを 作ってもらう、のステップで大体終了します。 出来れば紛失をわび、反省の気持ちを相手に伝えることも大事です。 Aさんの頭の中には、状況をこれ以上悪くしたくない、という思いだけがあったようです。 Aさんは鍵の紛失を隠したままにしました。 ホームステイ先から外出するときは最後にならないように、気をつけました。 そのようにして2.3日が経ち、とりあえず何事も起こらないで,すみました。 しかし悪の日はすぐやってきました。 その日、Aさんは朝寝坊してしまいました。急いで学校に行く準備を済ませたのですが、 そのとき家にはもう誰もいませんでした。鍵はAさんの手元にはありません。 Aさんのホームステイ先は閑静な住宅地です。 内も怒らないような閑静な住宅街の真ん中にあります。 Aさんは決断し鍵を閉めずに外出してしまいました。 その後に、訪問者があったわけでもなく、泥棒が入ったわけでもありません。 いえ、それ以上にAさんにとり最悪の事態になってしまいました。 「お母さん」が外出から帰ってきたのです。ドアーに施錠されていないことを知ると、 「お母さん」の犯人探しが始まりました。 それでも、Aさんは本当のことを言えず(勿論、英語でどのように説明したらよいのかも分かりませんでした。)、 「お母さん」の真相調べの嵐が過ぎ去るのを、首をすくめて、じっとまっていました。 犯人の分からないまま、当然の成り行きですが、鍵の所在確認が始まりました。 Aさんが犯人であることはそれ程時間を要せづ、「お母さん」の知るところとなりました。 後はどうしてこうゆう事になったかの状況説明、と叱責の嵐がAさんを待っていました。 英語の殆ど出来ないAさんにとり、このことは非常に厳しい時間だったようです。 また、Aさんが的確に説明できなければ出来ないほど、「お母さん」のいらだちはましていったようです。 以上が、外国でAさんが擬似ノイローゼに陥るまでのプロセスです。 此処にはいろいろな教訓が秘められているようです。 1. 外国をなめるな。 2. 外国では何とかならないことも多い。 3. 上手にしゃべる必要はないから、どんな手段も恥ずかしがらず、 コミュニケーションを維持する。 4 .外国の繁華街ではブランド品を身につけた、日本人観光客は鴨(カモ)。
by futuregate3
| 2006-05-10 14:53
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