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英国の戦争の歴史(ⅩⅢ)

英国の戦争の歴史(ⅩⅢ)
―私 掠 船(しりゃくせん)~早い話、国家公認の海賊船です―
16世紀、イギリスは海賊船を使い、国家の1年分の国家の歳入に匹敵する収益を得たんです。


少し話が戻ります。『スペイン無敵艦隊』を撃破し、その後のイギリスの世界帝国への飛躍を
決定付けたイギリスの提督フランシス・ドレークは国家公認の海賊でした。
幾ら、16世紀のこととはいえ、1年間の国家の全収入に相当する金額を彼は一航海中の
海賊行為で稼ぎました。エリザベス女王が彼に投資した金額の実に20,000倍の金額だそうです。
イギリスはこの金額で、エリザベス1世の時代に急速に膨らんだ、その国家債務を帳消しに出来たほどです。
通算でも女王の投資金額に対する利益率は実に6,000倍でした。
 このことと、後の『スペイン無敵艦隊』の撃破とが、彼の人生を歴史に刻みました。
国家の財政の急場を救い、英国の世界帝国への足がかりを作ったのですから、これはもう
歴史のトピックスなんて物ではありません。変わった無法者=海賊がいたと言うような程度の
お話でもありません。
 このことを足がかりに、カソリック世界の盟主スペインに対しプロテスタント代表のイギリスが
戦いを有利に運ぶことになります。

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ドレークの乗船した、ゴールデン・ハインド号の模型

1577年から約3年間にわたる、南北アメリカを中心としたスペイン艦船を対象とする海賊行為で稼いだ金額は数十万ポンド、エリ1ザベス女王に、献上した金額が約30万ポンドになります。
この金額だけで、当時のイギリスの国家歳入をはるかに凌ぐ金額でした。
 1577年にイギリスの港を出港し旗艦、ゴールデン・ハインド号(と言っても100tの小船ですが)
以下の5隻の艦隊はエリザベス女王からの出資金で編成されたものです。
彼はこの功績で『海軍提督』となり、叙勲されています。その後も女王の出資で私掠船艦隊が
組織されましたが、この時の利益を超えることはありませんでした。
             
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フランシス・ドレーク

フランシスコ・ドレークはイングランド南部でカルバン主義の牧師の子供として生まれ、敬虔な
クリスチャンでした。青年期になると、親戚のしていた奴隷貿易を手伝った後、25歳のときに
自ら船を調達し、海賊業=私掠船業(?)をはじめました。
そして34歳のときゴールデン・ハインド号の出航に繋がっていきます。
奴隷貿易にしても、私掠船にしても、何かいかがわしく思えますが、当時としては最先端の
仕事のひとつでした。

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by futuregate3 | 2006-10-23 13:01
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