<a href="http://futuregate.exblog.jp/">futuregate.exblog.jp</a>
英国の戦争の歴史(ⅩⅣ)

英国の戦争の歴史(ⅩⅣ)
私掠船 ②
―「海賊船」も「通商破壊活動」―と名前を変えれば立派な軍事行動になります。
~歴史の表舞台には、王侯や貴族出身でない人たちが登場してきます~


ドレークの経歴は・・・・・

(1)奴隷貿易に従事
(2)私掠船艦隊を組織して活躍
(3)イギリス海軍提督として「スペイン無敵艦隊」を撃破


・・・・・と書くとなにやら、胡散臭い人物像が
浮かびます。しかし前回記した破天荒ともいえる功績で彼は当為のイギリス社会の中で、
超スーパースターでした。
ただ、スペインとの海戦で、劣勢を一気にひっくり返したという『ドレーク神話』は少し眉唾の面も
あるようです。一説では艦隊の戦闘力ではイギリス艦隊が上回っていたと言う説もあります。
確かに火力・運動能力ではイギリス艦隊が上回っていたようです。
ただ、新しい戦術で、従来確立されてきた戦術に立ち向かったことは事実のようです。
当時の海戦はガレー船が主力でした。ガレー船の戦術は相手の船に激突接岸し、選挙若しくは
破壊するものでした。
これに対して、ドレークの取った戦術は火力の優勢を利用したヒット&ラン作戦でした。
どうあれ、彼の乗船「ゴールデン・ハインド」号は現在でもロンドンのロンドン。
ブリッジの駅から程近い場所で復元され、繋留・公開されています。ロンドン留学の際はぜひどうぞ。

         
b0080738_13305437.jpg
映画で復元された、ゴールデン・ハインド号
ロンドンには復元されたゴールデン・ハインド号が公開されています。


 でもこの私 掠船、何でもかんでも襲っちゃうわけではないんですね。
狙う相手は交戦状態にある敵国の艦船でした。・・・中には本当の海賊になっちゃう船もありましたが。
 通商破壊活動ということで言えば、第1次大戦以前には良く行われていたことらしいんですね。
わが帝国海軍にもあったらしいですよ。その意味ではそれ程いかがわしい仕事ではなかったようです。
むしろ当時、国に対するアイデンティティーを隠しての、大海原での活動に何か「義勇軍」に当てはまる、
ある種ヒロイックなロマンが感じられたのではないでしょうか。
軍事行動といっても、捕まれば捕虜としては扱われません。単なる、海賊として処分されてしまいます。
言い過ぎかもしれませんが、新大陸発見の航海、新航路を探しての大航海に一脈
通じるものがあったようです。

 当時、奴隷制度そのものが、まだ否定されていませんでした。今日でこそ完全に過去の
人類の歴史として扱われるこの制度も当時は人類にとり、最も古い伝統的な制度と見做されていました。
ましてインド隊利器。アフリカ大陸などとの奴隷貿易に仕事は、当時の最先端ビジネスの
ひとつだったと思われます。

 強力な海軍をもたないといった理由で、負ければスペイン軍のイギリス侵攻を許すと言う、
国家の存亡をかけた海戦を、素人提督のドレークにゆだねてしまう当時のイギリスに、柔軟な姿勢と
思い切りの力、勢いと言ったものを感じませんか。こうしてイギリスは世界中に植民地を持ち、
爛熟期に入っていきます。
此処からの時代に現在のイギリス文化の原型ができあがったと見るのが妥当でしょう。
今までの戦争と殺戮に明け暮れた歴史の流れと今日、皆さんのイメージするイギリスとが
ダブる訳がないですよね。
 ドレークも晩年は全てを燃えつくしたかのように、連戦連敗、最後は西インド諸島に遠征中に
赤痢でこの世を去りました。

[PR]
by futuregate3 | 2006-10-25 13:34
<< モザイク国家~カナダは今世紀中... 英国の戦争の歴史(ⅩⅤ) >>