現在のドイツの国章は、13世紀初頭に定められた 『神聖ローマ帝国』の国章と基本的に同じです。 ドイツの国章は、一貫して『鷲』が用いられています。「ワイマール共和国」であろうが、『ナチスドイツ』 であろうが、『現在のドイツ』であろうが、『鷲』なんです。実は700年間以上もの長さになるようです。 日本の皇室の菊の紋章に比べると短いかもしれませんが、これはもう立派な『伝統』です。 でも、なんで『鷲』なんでしょうか。 古来、ヨーロッパでは「鷲」は力のシンボルとして位置づけられてきました。 これは、歴史学者の先生のお話によると、皆さんご存知の「食物連鎖」―鷲はある生物群の中で 連鎖の頂点に立っている―の発想から来ているそうですが本当ですかね。 『弱肉強食』の発想で、『鷲』を食する動物は生物学上確定できず、したがって『鷲』は食物連鎖の 頂点に立っているんだそうです・・・。(?) 考えるに、単純に鳥類の中の王様だからじゃあ、ないんですかね。 では『鷲』の国章の歴史はどうかといえば、次のようになります。古い順に言うと、 ■13世紀初頭 「金地に黒鷲の紋章」が『神聖ローマ帝国』で用いられます。 ■15世紀半ば 「双頭の鷲の紋章」が『神聖ローマ帝国』でもちられ、 ■オーストリアの王家、ハプスブルク家で用いられるようになります ■ドイツ諸侯国家でもほとんどが鷲をデザインした国旗となります。 ■1818年、フランクフルト国民会議で鷲の国章が制定 ■1848年には北ドイツ連邦の国章となります。 ■1871年ドイツ帝国国章となります。 ■1918年ワイマール共和国の国章に定められます。 ■1933年ナチスドイツは「カギ十字」と「鷲」を組み合わせて、国章とし、 ■1950年ドイツ連邦共和国も鷲をモチーフに国章を作ります。 ■1990年東西ドイツの統合にあたり、巻頭の国章が定められます。 といった具合です。大変な『鷲』へのこだわりです。「種の集合体」としてではなく、それこそ、 自分たちの『歴史』『文化』『伝統』へのこの拘りはいったい何なんでしょうか。 私たち日本人は『日の丸』にこれだけのこだわりがありますか。 ただ間違いなく言えることは、「国」というものが彼らの中で「われわれ、日本人」以上にはるかに 深いところで、自己確立しているであろうことです。 国際間のサッカー試合は戦争だといいます。サッカーでは、ヨーロッパは、陸上などと違い 強豪ぞろいですが、この辺にも理由が見つけられそうです。 それにしても、現在のものが、13世紀のものに戻ったのは何か意味があるんですかね。
by futuregate3
| 2006-11-04 10:27
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