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英国の戦争の歴史(ⅡⅩⅥ)-大英帝国-

英国の戦争の歴史(ⅡⅩⅥ)-大英帝国-

『日の沈まぬ国―大英帝国』の完成です。


 ナポレオン戦争のおよそ20年にわたる、ヨーロッパの激変の中で、世界に散在していた
ヨーロッパ列強の『植民地』地図も大きく変化していきます。本国がナポレオンの侵略を受けたオランダの植民地の多くは、戦争が終わった後もイギリス軍が駐留したまま、イギリスの植民地に
移行していきます。特に南アフリカの、オランダ領ケープ植民地はフランスの侵攻を恐れたイギリス軍により
占拠されていましたが、戦争終結の後も結局はイギリス領化していきます。
東アジアのオランダ領の多くもイギリスの植民地となっていきます。アメリカの独立で大きな失策を犯した
イギリスはカナダを英連邦の一員のまま独立に導きます。莫大な借款の代償としてエジプトを手に入れると
平行して、東西アフリカの諸国を次々に植民地化していきます。
またフランスも多くの植民地を失い、その多くはイギリスのものとなりました。

        
英国の戦争の歴史(ⅡⅩⅥ)-大英帝国-_b0080738_13394893.jpg
19世紀後半から20世紀前半にいたる大英帝国領
赤い部分です。


こうしてみてくると、イギリスの「巧妙さ」「粘り強さ」「総合した国力の強さ」が目立ちます。
制海権を制していたことがやはり大きいのですが、もうひとつ、この時期になると各国を悩ましたのが
戦費の調達でした。兵器も進歩し、無料の人間が戦力の時代ではなくなっていました。
「世界の通商」を押さえ、「世界の工場」といわれるほどに、産業革命を通して国内製造業の振興に
成功していた点で経済力を背景に持っていた点が、ボディーブローの打ち合いのようなこの間の戦いの
期間をしのげた大きな要素といえるでしょう。
それと見逃してならないものがイギリスという『国』そのものが数百年の血で血を洗う国内外の戦乱の中で
培ってきたものの力が大きいのではないでしょうか。そしてまた、そのの戦乱が加速させたイギリス社会の
階層・政治体制も含めた流動化・変革が『ジョン・ブル魂』に象徴される国民性をはぐくみ、『国』
として成熟させていったように思われます。1800年代から2000年初頭の時期、イギリスだけ
役者が『一枚上』に見えてきます。

by futuregate3 | 2006-11-22 13:41
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