クエ―カ―教徒って? 天皇陛下の家庭教師は2人ともクエーカー教徒のアメリカ人女性です。 天皇陛下の家庭教師といえばバイニング婦人が有名ですが、その後任のエスター・B・ローズも 国際基督教大学の理事として、あるいは普連土学園・学園長として有名な教育者です。 この二人のアメリカ人女性、実はクエーカー教徒なんです。クエーカー教徒は全世界で信徒が100万人程度のキリスト教、 プロテスタントのなかでも小さな教派です。無教会主義・神秘す意義的な色彩が濃い場合もあるため、 人によっては異端扱いする人もいれば、清教徒の流れとして位置づける人もいます。 正式にはキリスト友会(ゆうかい、【Religious Society of Friends】)と言い、クエーカーは 通称になります。キリスト友会は「聖書」のみをよりどころとする、無教会主義の教派です。 発祥の地、イングランド、アイルランドでは英国国教会により激しく弾圧され、差別されました。 『ウイリアム・ペン』の項目で書いたように、合衆国のペンシルバニア州はウイリアム・ペンにより、 クエーカー教徒が迫害から逃れて、安全に住める場所として開拓された謂わば,新天地です。 発祥は古いのですがその後の教理上の問題で四分五裂しています。 1624-1691 このクエーカー教派、プロテスタント各教派の中では、非常に小さい存在なのですが、経済界・教育界になぜか、 隠然とした勢力があります。英国の四大銀行のうちの2つ、ロイズ銀行とバークレー銀行は クエーカー教徒により設立された銀行です。 資本主義国でも一時、基幹産業のひとつに数えられた「鉄道事業」も、公共事業だったものをクエーカー教徒の 企業家により最初は民間事業化されました。 これは、当初、国教会によるクエーカー教徒への迫害(教育面での背弦、就業の制限など)の中、 結社的な内部結束を余儀なくされたクエーカー教徒の団結が結果的にそのような方向につながった と言う見方があげられます。神の前に『公正』であることを教理とするところから、適正な商品価格の設定 およびその流通を確立するという考え方が、19世紀の商品経済の発展=資本主義の発展につながり、 多くのクエーカー教徒の企業家が生まれたのだという見方もあります。プロテスタンティズムの隆盛が 市民社会の発展と同時に、資本主義の拡大に力があったという考え方は、今日では常識になっています。 米国でも英国でも多くの銀行家・企業家が彼らの中から生まれました。 また、クエーカー教派は教育にも熱心で名前は忘れましたが、あの田中 真紀衆議院議員の高校時代の留学先もクエーカー系のアメリカの高校です。日本では、新島 譲などの無教会主義の クリスチャンに大きな影響を及ぼしました。日本でしたら新興宗教のひとつになっちゃうとこです。
by futuregate3
| 2006-12-21 11:10
|
ファン申請 |
||